サラセミア
以前勤務していた病院の近くには東南アジア出身者が多かったです
29歳女性 フィリピン出身 健康診断異常で来院されました。自覚症状はありません。
研修医が初療を行いました。「貧血はないけど、MCVが低い患者さんがいます」とのこと。
赤血球 589万/μL MCV68 ヘモグロビン12.5g/dlです。
若い女性ですので経血による鉄欠乏がないか確認しましたが血清鉄とフェリチンは異常がありません。そのためサラセミア・インデックスを計算しました。
サラセミア・インデックス=68/5.89=11.5でした。
この数字が13より低いときはサラセミアを疑います。
サラセミアとは血液の中の酸素を運搬する赤血球中のヘモグロビンの異常です。日本人ではあまり見たことはありません。複数の亜型があり軽症~重症まで様々です。成人してから健康診断で指摘されるのは軽症(サラセミア・マイナー)が多いとのことです。症状があれば小児期に診断されます。この患者さんも無症状です。サラセミア・マイナーは命に係わる病気ではありません。
サラセミア・インデックスで病気を疑えば次に行う検査は「ヘモグロビン分画検査」です。検査室に問い合わせましたが当院ではできないとのことです。診断を確定しても軽症であれば特に治療を行いません。血液内科の専門家に依頼したとしても経過観察となる可能性が高いと思います。
本人にサラセミアが疑われるけれど当院で確定の検査はできないと説明しました。血液内科の受診は希望しなかったためその時は精査をしない方針となりました。
