仙骨硬膜外ブロック
以前に病院に勤務していたころの話です
42歳男性 身長162cm 体重92Kg
1週間前からの右腰部~臀部の痛みが増悪で救急車を要請
意識清明 血圧や脈拍 酸素などは異常なし。
突然発症の腰痛では動脈の解離(裂けること)や尿路結石などを考えますが、1週間前から徐々に増悪していますので可能性は低そうです。昨日、右足のしびれもあったとのことです。神経性の疼痛を疑います。
仰向けに寝た状態の診察で右ひざを伸ばしたまま挙上していくと臀部に痛みが走ります。SLRテスト(straight leg rising test)陽性ですのでやはり坐骨神経障害を疑います。
来院時の血圧が200mmHgありましたので念のため動脈解離と尿路結石を除外する目的で腹部のCTを撮影しました。血管の解離も尿路結石もありません。いよいよ坐骨神経痛の可能性が強まります。
痛みに対し仙骨硬膜外ブロックを行いました。神経根性の疼痛を伴う腰痛に適応があります。内科医でも比較的安全に施行できます。
患者さんにうつ伏せになってもらい、お尻の骨(仙骨)の突起を指で探します。麻酔薬(1%キシロカイン)の注射器を仙骨裂孔から靭帯を貫くように針を進めます。靭帯を貫く時に”プスッ”と貫く間隔がシリンジを通じて感じ取れます。麻酔薬を10cc注入しました。患者さんは「腰のあたりが温かくなってきた」と言います。
同時に痛み止め(ジクロフェナク50mg)の座薬を挿入します。痛みは軽減しましたが帰宅できなさそうなので整形外科に入院となりました。明日以降に椎間板ヘルニアをチェックするため腰部のMRIの撮影が必要と思います。
