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腫瘍マーカーの使い方

[2025.09.30]

『腫瘍マーカー値の異常を見落とし、患者遺族に謝罪』という記事が読売新聞ニュースに出ていました。

 

腫瘍マーカーとは血液で測定できるマーカーです。例えば「CEA」や「CA-19-9」などの項目があります。CEAというマーカーで見てみましょう。基準値は「0-0.5ng/ml」とされています。しかしどのような検査にも偽陽性・偽陰性があります。

 

検査で数字が高くても癌がない場合を検査の「偽陽性」と言います。

検査で数字が正常でも癌があることを検査の「偽陰性」と言います。

病気の人を「正しく病気である」と診断できる率を「感度」といい、病気がない人を「正しく病気がない」と診断できる率を「特異度」と言います。

 

感度の高い検査は「疾患の除外」に使用します。特異度の高い検査は「疾患の確定」に使用できます。「SpPin」,  「SnNout」と表現されます。検査のカットオフ値が高いと特異度が上昇し、カットオフ値が低いと感度が上昇します。

 

腫瘍マーカーを使う医者はこの感度・特異度・偽陽性・偽陰性を意識して解釈しなければいけません。

 

そして健常人を対象とした健康診断では疾患を除外できる「感度の高い検査」が有用なのです。一般的には感度の高い検査でスクリーニングし、特異度の高い検査で診断を確定するのが正しい判断です。

 

「がん検診における血清CEA値の有用性に関する検討」1993年という論文にヒントがあります。胃癌か大腸がんと確定した24例中 CEAが5ng/ml以上だった患者は5人だそうです。残り19人は「偽陰性」です。「感度は20%」です。これでは疾患(大腸がんと胃癌)の除外には使用できません。

 

健康診断で使用するには不向きであることがわかります。ただし、CEAの結果が10万ng/mlという結果では特異度が上昇するので癌がある確率は高くなり精密検査は必要だと思います。しかしこの1人の癌患者を見つけるのに何人に無駄な検査を行わなければいけないのか?を考えた時、CEAは健康人を対象としたスクリーニングには向いていません。癌患者の治療後の再発や予後の推定などでは有用かもしれません。検査はそれぞれにどういう状況で使用するかを理解していないと無駄な検査を行うこととなります。

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