後期潜伏梅毒
外来に40歳台の男性が健康診断異常を指摘され来院されました。自覚症状は何もありません。
検査結果に
TPHA(+)
RPR(+)
とあります。これはどちらも梅毒の検査です。梅毒は性交渉で他人に感染します。
今回の検査結果では、現在梅毒に感染していると考えるべきです。現在感染しているにもかかわらず、自覚症状のない梅毒は「潜伏梅毒」と言います。これに対して症状のある梅毒は「顕性梅毒」と言います。
感染して1年以内の潜伏梅毒は「早期潜伏梅毒」といい、感染して1年以上経過している潜伏梅毒は「後期潜伏梅毒」と言います。早期と後期に分ける理由は他人への感染性の違いです。早期潜伏梅毒は性交渉で他人に感染し、後期潜伏梅毒は性交渉での感染はほぼないと言われています。しかし本人がいつ感染したかがわからない場合は後期潜伏梅毒として扱います。
現在、症状が無くても数年~数十年経過して「顕性梅毒」になる可能性があります。晩期顕性梅毒では心臓・血管や神経に梅毒の症状が出現する状態です。その為、潜伏梅毒も現在感染があるとして治療対象となるのです。後期潜伏梅毒の治療は商品名:ステルイズ(ペニシリン系抗生剤の筋肉注射製剤)を1週間ごとに3回投与することです。残念ながらステルイズは出荷制限のため当院で入手困難です。地域の中核病院に患者さんを紹介することとなりました。
