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人食いバクテリア感染

[2025.10.27]

正確には劇症型溶血性連鎖球菌による「壊死性筋膜炎」が一般的です。連鎖球菌はスーパー抗原作用を有しT細胞を非特異的に活性化することでトキシックショック症候群や川崎病様症状の原因となります。

 

皮膚の細菌感染である「蜂窩織炎」と間違われやすいです。過去の報告では下肢の痛みで来院し、「痛風発作」と誤診されたという報告もあります。診断医は「壊死性筋膜炎」という病態を知っておかなければいけません。

 

壊死性筋膜炎の原因菌は連鎖球菌のみではありません。連鎖球菌以外にも肝硬変患者さんの海水暴露によるVibrio vulnificusや淡水暴露によるAeromonas hydrophilaによる壊死性筋膜炎も有名です。肝硬変患者さんが生ものを摂食してはいけないと言われるのはこのためです。肝硬変患者さんは免疫抑制状態だからです。

 

壊死性筋膜炎の診断は病歴と診察がとても重要です。CTやMRI検査は不要です。皮膚に発赤がある時はマジックで皮膚をマーキングしておきます。発赤部分を超えて痛みが強い時、数時間単位で発赤が徐々に広がる時、血圧がショックバイタルの時に疑います。

 

疑った際は皮膚の切開が必要です。整形外科医や皮膚科医がいれば皮膚を切開し漿液を採取しグラム染色を行います。筋膜を指で触ってずぶずぶと溶けている所見があれば診断確定です。壊死性筋膜炎は内科疾患ではありません。抗生物質で治療しようとしてはいけません。診断時点で腕や足の切断を考えるため整形外科や形成外科医に相談が必要です。命にかかわるため救急を担当する医者が決して見逃してはいけない病気です。

 

鑑別疾患は「壊疽性膿そう」、「ガス壊疽(嫌気性菌やウェルシュ菌による軟部組織感染症)」です。

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